日本でも、学歴社会の打破が叫ばれるようになって久しい。だが依然として、東大は日本の大学の中で良かれ悪しかれ「特別」な存在として注目されている。東大という肩書きに向けられる周囲の視線に戸惑う東大生も、少なくないのではないだろうか。
そうした東大生の多くは、大学名を口にするときなぜか「一応、東大です」と「一応」の一言をつけてしまう……というところから、本書の論は始まる。思わず「一応」とつけたくなるのはなぜなのか。インタビューやアンケート、本、漫画などの資料を引用しつつ、世間が抱く東大のイメージと東大生の実感のずれを分析する。「自分は東大生ではあるけれど、そう特別な人間ではない」と予防線を張りたくなる心理が、「一応」の裏に隠れていると筆者は結論づける。
自身も東大出身でありながら、東大生を非難するでも擁護するでもない立場を貫く著者の分析は、東大生自身にも新鮮な発見を与えてくれるだろう。
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