『小泉劇場』を追い続けたマスコミに対する批判が、最近マスコミ内部からも聞かれるようになっている。この本もそのうちの一冊で、「政治はテレビを利用するが、テレビもまた政治を利用する」と説いている。
筆者らは、このようにしてテレビと関係性を持つ政治を「テレビ政治」と定義付ける。その上で、政治家とマスコミ、そして劇場政治を楽しんでいた視聴者の思惑を分析し、数々の具体的事例から「テレビ政治」やマスコミのあり方について論じていく。
オビに「テレビと政治の危ない関係」という言葉を用いている割には、マスコミや政治に対する批判的観点が乏しく、分析に終始している感はある。とはいえ、分析自体はグラフや出来事などの豊富な事実を基にしており、テレビというメディアが特質として抱える弱点を、見事に浮き彫りにしているといえる。テレビは視聴者の好むようなニュースを伝えざるを得ない、という昔からのテーマも、関係者の発言などによって裏付けられている。
現代のテレビが抱える問題点を、リアルに感じるには、適切な一冊といえるだろう。
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