2006年9月26日号 - 新刊紹介・新刊を読む

記事

『テレビ政治』


 『小泉劇場』を追い続けたマスコミに対する批判が、最近マスコミ内部からも聞かれるようになっている。この本もそのうちの一冊で、「政治はテレビを利用するが、テレビもまた政治を利用する」と説いている。
 筆者らは、このようにしてテレビと関係性を持つ政治を「テレビ政治」と定義付ける。その上で、政治家とマスコミ、そして劇場政治を楽しんでいた視聴者の思惑を分析し、数々の具体的事例から「テレビ政治」やマスコミのあり方について論じていく。
 オビに「テレビと政治の危ない関係」という言葉を用いている割には、マスコミや政治に対する批判的観点が乏しく、分析に終始している感はある。とはいえ、分析自体はグラフや出来事などの豊富な事実を基にしており、テレビというメディアが特質として抱える弱点を、見事に浮き彫りにしているといえる。テレビは視聴者の好むようなニュースを伝えざるを得ない、という昔からのテーマも、関係者の発言などによって裏付けられている。
 現代のテレビが抱える問題点を、リアルに感じるには、適切な一冊といえるだろう。