立憲主義から憲法学を見直す学風で知られる、憲法学者の長谷部恭男教授。現在最も注目される法学者の一人に、法政大学の政治学者杉田敦教授が、憲法や憲法学者のありかたについて鋭い質問を投げかける。
本書中の話題は、立憲主義とは何か、憲法解釈の主体は誰なのか、といった根本的な問題から、憲法九条改正など社会的な争点となっている議論まで及ぶ。題名のように「これが憲法だ!」と憲法解釈のあり方が明確に示されるわけではないが、両者の対話を通じて、憲法解釈の重要な争点が示されている。
長谷部教授は「憲法を巡る問題は単純ではない」と述べ「環境権」を憲法の条文に書き込むべきか否かなど、他の著書では方向性は示しつつも主張の明示を避けてきたものも多い。憲法学者同士の議論とは違う視点で投げかける杉田教授の質問から、長谷部教授が明言してこなかった独自の憲法学のとらえ方、その根拠を垣間見ることができる。
あとがきで長谷部教授自身が書いているように、杉田教授の問いは「逃げ」を許さない。曖昧な回答で濁されまいと追及する杉田教授と、時にその問いを受け流そうとしながらも本音をのぞかせる長谷部教授。そんな両者の駆け引きが、本書の面白いところだ。
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