昨今よく聞くニートという言葉。国もニートの数を減らそうと具体的な対策を講じ始めているものの、抜本的な問題解決とはなっていない。本書は、ニート・フリーターに関する公開セミナーにおける日英両国からの報告と討論をもとに作られている。
日本ではニートとは、就業意志がなく、職業訓練もしない人たちと思われているが、著者はこの概念の使われ方は誤っていると指摘する。ニートという言葉はイギリスで用いられているものからの転用である。イギリスではこの言葉に失業者も含めるのに対し、日本では含めない、また両国では年齢幅に違いがあるなど、内容に違いがあることを著者は示している。なかでも、失業者を排除したニートという言葉の使い方を「誤用」と指摘している。
本の末尾では、6人が不安定を生きる若者たちをめぐる課題について意見を述べている。ここで、佐藤一子教授(教育学研究科)は、「人間的な豊かさを実感できるような生活の追求が、若者にとって非常に重要な意味をもってくるのでは」と語っている。
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