理工系の学生が大学に入学して最初に学ぶ数学の必修科目に、「微積分」と「線形代数」がある。線形代数は高校で学ぶベクトルや行列が基礎となっており、また中学でもやるような連立一次方程式や直線の方程式なども扱っているので、馴染み深く感じられる方も多いだろう。またその一方で、「大学の数学ってこんなものなの?」と、物足りなさを感じられる方もいるのではなかろうか。
2年生冬学期に行われる数学科向けの講義に、「線形代数」の続きを学ぶ「代数と幾何」がある。続きとはいっても、座標が定められた空間という一つの世界から一挙に世界が広がっていく。いくつかの条件を満たしさえすれば、どんなものでも扱えるようになるのだ。関数の空間、数列の空間、なんだかよくわからない空間……。そして講義のキーワードは「双方空間」「商空間」。一体どんな世界なのだろうと、わくわくしてくるのではなかろうか。そしてこの講義を通して、抽象的な数学の考え方を学ぶことができるようになる。大学ならではの「数学の面白さ」を知るわけだ。
本書はその講義を教科書としてまとめた、抽象数学を学びたい読者にはうってつけの入門書である。演習問題も豊富で(レベル別にわかれている)、また随所にある「余談」も楽しめる。
数学が好きな人はもちろんだが、途中でつまずいてしまった人にもぜひ読んでいただきたい一冊である。きっと数学の真の面白さが理解できると思うので。
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