最近、世間をにぎわせているニュースの一つに、月周回衛星「かぐや」が打ち上げられ、成果を収め始めていることがある。アポロ以降最大といわれるこの月探査計画を日本が行っていることも手伝ってか、近年の惑星探査の熱気は大変なものである。
こうした中、総合研究博物館でも、東大130周年の記念事業の一つとして『異星の踏査――「アポロ」から「はやぶさ」へ』と題する企画展示が行われた。この企画展示は探査技術の発展に伴って得られたたくさんの画像とともに、アポロとスターダスト探査機がそれぞれ採集した月の岩石とビルト第二彗星(すいせい)の標本が展示された。この二つは人類が地球外で採取した、ただ二つの地球外物質である。
また本展示では、さまざまな惑星の姿を写した鮮やかな画像とともに、展示会場では伝えきれない詳細な科学的議論を展開した図録を製作した。本書は、大変な好評を博したこの図録の市販版である。当初より教科書としても使用することを意図して編集されており、今世紀最初の「惑星地質学」のテキストである(この展示の英文タイトルはPlanetary Geologyである)。
惑星探査を通じて得られるデータはますます増大していく。そして、この膨大なデータを理解し、有効に利用していくために「惑星地質学」という分野は主要な役割を果たしていくことになるだろう。
広大な宇宙や惑星の姿に興味のある人、惑星科学諸領域を学ぶ人たちに、ぜひ手にとって見てもらいたい一冊である。
《寄稿=東京大学出版会》
記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
Copyright 2008 (財)東京大学新聞社 The University of Tokyo Newspaper. All rights reserved.