最近、身近な食べ物の値段が上がっている。パンはこの数カ月で数十円上がったし、カップめんやマヨネーズもそうだ。石油価格の高騰でコムギやトウモロコシなどがバイオ燃料の原料に振り向けられ、需要が増したことが価格上昇の一因のようだ。
石油の代替燃料としてバイオ燃料を考える場合、価格が石油に比べて安いことや、エネルギー効率が重要な要素となってくる。
では実際、バイオ燃料を生産するためにはどれくらいの量の原料が必要で、どれくらいのコストがかかるのだろうか。また、石油と比べてどれくらいのエネルギーを取り出せるのだろう。本書は、こんな疑問に答えてくれる。
また、本書は世界の食料生産の状況をFAO(国連食糧農業機関)と世界銀行のデータをもとに分析。歴史的な視点(1961年以降のデータを使用)、地理的な視点(土地利用)、技術的な視点(肥料)といった多角的な視点から俯瞰(ふかん)していくことで、現状をより正確にとらえ、長期的な展望を持った対策に生かせるように工夫されている。
08年6月上旬にはFAO主催の「食糧サミット」が開催され、バイオ燃料政策の見直しに注目が集まっている。また、7月に日本で行われる洞爺湖サミットでも、食と環境は主要なテーマの一つとなる予定だ。これからの食と環境の関わりを考えていくために、ぜひ本書を活用していただきたい。《寄稿=東京大学出版会》