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新刊を読む『Viajeros 東京大学スペイン語教材』 多様な世界の旅を味わって


 現在、スペイン語は世界20カ国で、3億5千万の人々に話されているという。母語にしている人口は中国語、ヒンディー語についで世界第3位である。
 スペイン語が使用されている地域は、スペイン、ラテンアメリカ諸国、カリブ海周辺などにわたり、日本との結びつきも深い。16世紀にスペイン人が鉄砲やキリスト教をもたらして以来、19世紀末の日本から中南米への移民、近年の貿易や経済協力といった歴史がある。
 本書は、スペイン語を学ぶための購読教科書だ。初級文法を終えた人に向けて、27篇の文章が収められている。スペイン語の背景にある多様性を反映して、それらはバラエティに富んだものになっている。
 たとえば、インカ帝国の滅亡の謎に迫る歴史書があれば、ピカソの「ゲルニカ」を解説する美術論がある。その他には、アンデスの自然環境を考える人類学の話題、国際的評価の高いスペインの映画監督のバイオグラフィー......なども並ぶ。(ちなみに、音声CDでは、キューパで生まれたボレロ、ベネズエラの伝統音楽も楽しむことができる!)
 とはいえ、原文でいきなり読むのは難しいという向きもあるだろう。そういう場合は、日本語による解説、語彙・文法の注があるので参照できる。
 Viajerosとは、スペイン語で「旅人たち」を意味する。本書を通して、スペイン語の世界を巡る旅をぜひ味わってみてほしい。
《寄稿=東京大学出版会》

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